『ロミオとヂュリエット』横浜公演
作/ウイリアム・シェイクスピア 訳/坪内逍遥
構成・演出/中込遊里 音楽/五十部裕明

演出挨拶/物狂いのロミオとヂュリエット
本作品は、昨年11月、「ひいらぎ演劇プロデュースvol.2」にて、岩手県一関市で初演を迎えた。今回の横浜公演の後にも、山梨県や関西地方にて上演予定である。
「ロミオとヂュリエット」は、シェイクスピアの初期の有名作であり、多くの舞台や映画・美術などのモチーフになってきた。400年前に書かれたとされることを思うと、それほどまでに需要があるのかと驚かされる。
世阿弥が大切にした「物狂い能」では、主に狂女が登場し、我が子や夫の不在という憂き目のために、普段は隠されている人間の情緒が現れることがめずらし=面白しとされている。ぜんたい、現代は、世阿弥のいう「物狂い」とは程遠い時代だ。それは人間の執念の結果だからである。出来るだけ多くの情報を器用にさばくことを求められる時代において、執念やしつこさは用ナシに見える。
さて、ロミオとヂュリエットほどしつこく執念深い夫婦もいないだろう。恋とは思い込みの力に他ならないが、またとない命をなげうつほどにその思い込みを全うするとは、大層珍しい男女である。この泥臭くいじましい二人を現代に招いたら、あまりに場違いで、赤面の末、こそこそと隠れるように心中するかもしれない。
公演情報
日時
2015年2月14日~2月15日
場所
黄金町・八番館
演出
中込遊里
音楽
五十部裕明
出演
ロミオ/林みなみ
ヂュリエット/清水いつ鹿
ウタイ(声)/葉湖芽・飛山真利子
ベンヴォーリオ・マーキューシオ/石和田尚子
乳母・カピューレット主人・同夫人・チッバルト・パリス/矢嶋美紗穂
Violin/弦巻都・寺田彩乃
Viola/久保山有造
Bass/新井記世・津曲大貴
Percussion/松岡祐子・五十部裕明
Utai/中込遊里
スタッフ
照明/南香織
衣装/服部瑠美
美術/北山聖子・樋口真惟子
宣伝美術/有布
制作/田村いろは
協力/坂本遼・折田彩・黄金町エリアマネジメントセンター