【2年ぶりの新作!】鮭スペアレの持たざる演劇『すってんテンペスト』

演劇は贅沢な遊び。魔法を捨てたプロスペローと一緒に遊ぼう!

11月15日(金) 立川公演(@CHABOHIBA HALL)
12月13日(金)〜15日(日) YPAM2024フリンジ参加公演(@武蔵小杉・東福寺)

作 ウィリアム・シェイクスピア
訳 坪内逍遥
構成 宮川麻理子・中込遊里
演出 中込遊里
ヴィジュアル撮影 ハマリュウノスケ


「魔法」に彩られた、シェイクスピアの集大成と呼ばれる『テンペスト』の魅力は、演劇の本質を「想像力」ととらえているところだと思う。

『テンペスト』では、無人島に流されたプロスペローが、精霊の力を借りながら魔法で自分の目的を果たしていく。魔法が中心となるので、人間の力だけでは無茶なト書き(台詞ではなく場面の動きが指定されているもの)がしばしば出てくる。例えば「絢爛豪華な食事が突然現れる」「空を飛んで現れる」みたいな、演出からすれば「どうしたらいいんじゃいっ」となるような場面が続く。

ただ、演劇では、想像力によって「ない」ものを「ある」に変えることができる。俳優も観客も想像する自由を与えられることで演劇は魅力的な場になる。だから『テンペスト』は挑みがいがある。

鮭スペアレの『すってんテンペスト』では、(ここ数年の演出とは異なり)俳優のみで上演する。俳優は特定の役を演じない。『テンペスト』の主人公であるプロスペローと彼を取り巻くキャラクターたちの言葉が、複数の俳優によって「語られる」。それらの仕掛けによって、演劇の場に集まった人たちの想像力をフル活用する状況を作り、なにも持たない“すってんてん”の状態で、「魔法を捨てた」プロスペローと一緒に遊ぼうというのである。

【鮭スペアレ版・参加型公演!】

演出の中込遊里です。

鮭スペアレの2年ぶりの本公演では、劇団として「公演」のありかたを考え直す第一歩を踏み出します。

演劇の根源的な楽しさは大きく二つあります。

人と一緒に作ること。
なにかになること。

鮭スペアレではこの根源的な楽しさを追求するために、「劇団員と一緒に舞台に立つ」という方法を考えました。「見る」ことの楽しさを否定するわけではなく、「一緒に作る」楽しさを味わってほしいという思いからです。

「演じるって楽しい!」と感じた、私の実体験の話をします。

2022年に物狂い音楽劇『リヤ王』に出演した時に、「赦された」という感覚を得ました。

能舞台という独特な空間(お客さまの顔もバッチリ見える!)で、シェイクスピアの非日常の言葉を扱う身体の感覚を今もはっきり覚えています。身体の中を滝が流れていきました。なんだか理屈はわからないけど、「私は生きてていいんだな」と感じました。その経験の一連は「赦された」といったん名付けて、今でも稽古場でその感覚を追っていますが、今のところしっくりきています(能舞台は仏教と繋がりが深いので、その影響を大きく受けたのかもしれません)。

演じることは感情や身体を観察してコントロールすることです。それは、自分自身を見つめることにほかなりません。私は演じることによって自分自身にしっかり向き合えたのかもしれません。

私にとって「なにかになる」という演劇の楽しさは、「(自分を捨てて)なにかになりきる」ではなく「自分を認められた自分になる」という楽しさです。

ここまで読んで、「楽しそうかも」と少しでも思っていただいた方、『すってんテンペスト』で一緒に遊びませんか?

「一緒に舞台に立つ」詳細はこちら

【立川公演】

上演日時

2024年11月15日(金)19時~
※開場は開演20分前

会場

CHABOHIBA HALL 

チケット

無料 カンパ制(要予約)
※このほか、事前WSに参加の上、一緒に舞台に立つこともできます。詳細は下記【無料WS開催!】欄をご覧ください。

ご予約

https://forms.gle/KGP4bYMfoyvuPqBs8

お車でご来場希望の方は劇団で駐車場の予約を承ります。1台500円です。info@syake-speare.comまでお問い合わせください。

出演

清水いつ鹿、上埜すみれ、マサムネ葵、水上亜弓、宮川麻理子、中込遊里、ワークショップ参加者の皆さま

スタッフ

ドラマトゥルク:宮川麻理子
能楽指導:一瀬唯
衣装:清水いつ鹿
広報:上埜すみれ
制作:日里ひとみ(一般社団法人AsoVo)
協力:立川市子ども未来センター、田坂歩、(株)Quick
主催:鮭スペアレ・一般社団法人AsoVo

お問い合わせ

info@syake-speare.com

【YPAM2024フリンジ参加公演】

上演日時

2024年12月
13日(金)18時30分~(公開ゲネプロ)
14日(土)12時~/17時~
15日(日)12時~/17時~
※上演時間80分程度(予定)
※開場は開演30分前

会場

真言宗智山派 西光山 東福寺
(東急線/JR南武線 武蔵小杉駅 徒歩5分・JR横須賀線/湘南新宿ライン 武蔵小杉駅 徒歩8分)

チケット

一般:4,000円
学生:3,500円
※公開ゲネプロは無料(要予約)
※このほか、事前WSに参加の上、一緒に舞台に立つこともできます。詳細は下記【無料WS開催!】欄をご覧ください。

ご予約

https://www.quartet-online.net/ticket/suttentempest

出演

清水いつ鹿、上埜すみれ、マサムネ葵、水上亜弓、宮川麻理子、中込遊里、ワークショップ参加者の皆さま

スタッフ

演出:中込遊里
ドラマトゥルク:宮川麻理子
能楽指導:一瀬唯
衣装:清水いつ鹿
広報:上埜すみれ
制作:日里ひとみ(一般社団法人AsoVo)
協力:立川市子ども未来センター、田坂歩、(株)Quick

お問い合わせ

info@syake-speare.com

【無料WS開催!公演の一部シーンに出演できます】

鮭スペアレの「なににもならない」世界観を体験してみませんか。台詞を覚える必要はなく、ハードな身体表現もありません。本番では一部シーンに出演しつつ、間近で作品世界を堪能できます。劇団員と一緒に和気あいあいと創作しましょう。

出演できる方

*18歳以上
*鮭スペアレの理念に共感できる方(「ABOUT 鮭スペアレとは?」のページをご参照ください)
*肩が触れ合うなど、接触を伴うワークを行う可能性があります。
*下記WSおよび稽古に参加できる方(詳細な日時と場所は以下をご確認ください)

参加日時と場所

★立川公演(11月15日19時)に参加を希望する方
下記WS・稽古に両日ともご参加ください。

11月3日(日)13時~16時 <WS>立川市子ども未来センター(JR/多摩都市モノレール 立川駅 徒歩8分、JR西国立駅 徒歩6分)※立川市子ども未来センターとの共催での開催です。出演を希望しない方もご参加いただけます。詳細はこちら
11月14日(木)夜間 <稽古>立川市または日野市内施設

★YPAM2024フリンジ参加公演(12月13日〜15日)に参加を希望する方
上記11月のWS・稽古日程、または下記日程のうち、計2日以上ご参加ください。

12月8日(日)午後 <WS>東福寺(公演会場)
12月12日(木)夜間 <稽古>東福寺(公演会場)

*立川、YPAM2024フリンジ参加公演の両方へ出演することも可能です。また、YPAM2024フリンジ参加公演の本番は全日程参加は必須ではありません。
*ワークショップや本番当日の詳細はお申込みいただいた方にご連絡します。
*衣装として一部私物をお借りする場合がございます。

参加申込

こちらからお申込みください。

締め切り

立川公演(11月15日):10月31日(木)
YPAM2024フリンジ参加公演(12月13日~15日):12月1日(日)

定員

10人程度(10名を超えた場合は選考をする可能性があります)

参加費 

無料(交通費は個人でご負担ください)